FXの歴史を超シンプルに語る~初心者はこれだけ知ってれば十分
第2次世界大戦が終わった後、世界は混とんとしていました。
そこで西側諸国の指導者たちは、世界経済を安定化させる良いシステムを作る必要がありました。
ブレトンウッズ体制です。
これは、世界共通の価値を持つ金と米ドルの交換比率を1オンス35ドルと決め、世界各国の通貨と米ドルの為替レートを固定化するという取り決めです。
ブレトンウッズ体制はしばらくの間為替レートを安定化しましたが、各国が異なるスピードで成長し、世界経済が変化することで、このシステムやうまく行かなくなってしまいました。
まもなくブレトンウッズ体制はボツになり、1973年には各国は変動相場制に移行していきました。変動相場制では、米国が先頭に立ってあるていど為替相場をコントロールしますが、基本的に各通貨の為替レートは需要と供給により変化します。
最初の頃、変動相場制は混乱もありましたが、やがてテクノロジーが進化し、各国間のコミュニケーションが容易になり、うまく行くようになりました。
1990年代になると、コンピューターが進化し、インターネットが成長したことで、世界の銀行はインターネットを利用したFXトレード環境を整えるようになりました。リアルタイムの為替レートが配信され、銀行同士で自由にFXをトレードできる環境です。
そうこうしているうちに、頭の切れる人たちが、個人トレーダー向けにFXのインターネット取引ビジネスを始めるようになりました。
それが、いわゆるFX業者というものです。
彼らのおかげで個人トレーダーは小さなロットサイズでFXをトレードできるようになりました。
インターバンクマーケットでの最小ロットサイズは100万通貨単位だといいます。FX業者が一般投資家向けに1万通貨単位や1000通貨単位での取引を可能にしてくれたのです。
FX業者
昔は銀行以外がFXをトレードするのは至難の業でした。銀行以外でFXをトレードできるのは、とてつもない資金を運用する投資家ぐらいだったのです。
しかしインターネットとFX業者の登場で、FXは誰でも参加できる市場になりました。
誰でも分け隔てなくFXに挑戦することができます。FX業者に口座をつくり、わずかな資金を入金するだけですぐに自分の家からトレードすることができます。
FX業者には基本的には2つの種類があります。
・マーケットメーカー
その名の通り、彼らはインターバンクの為替レートをもとに一般投資家相手に市場を作ります。インターバンクマーケットで安く仕入れた通貨に利益分を載せて顧客に売ることで利益を上げます。
・ECN業者
インターバンクマーケットから最良のビッド(買い指値注文)と最良のアスク(売り指値注文)を探しだして顧客の注文とマッチングし、手数料収入で利益を上げます。
マーケットメーカー
マーケットメーカーはもっとも一般的なFX業者のかたちです。
FX業者にはディーラーという人達がいます。
インターバンクマーケットが卸売業者だとすると、マーケットメーカーは仲介業者です。
マーケットメーカー型のFX業者にはディーラーと呼ばれる人たちがいて、彼らは営業マンみたいなものです。
マーケットメーカー型のFX業者における取引の流れを超シンプルに図式化するとこんな感じです。
ディーラーはインターバンクマーケットでUSD/JPYを103.50で買い、1pipsの利益を乗せて個人投資家に103.51で売っています。
マーケットメーカー型のFX業者はこのようにインターバンクレートに利益を上乗せして顧客に提供することで利益を得ています。
実際には、FX業者が顧客の注文を引き受けて反対売買をすることもあります。
一般投資家の90%が負けるのですから、反対売買をしていれば稼げると分かっているのでしょう。
実際にはもっと複雑なシステムが稼働しているはずですが、超シンプルに説明すると、こんな感じです。
ECN
ECNとはElectronic Communication Network の略です。
ECNタイプのFX業者は、顧客の注文をシステムを使って自動的に最良のビッド(買い注文)やアスク(売り注文)と突き合わせて約定させます。
それらのビッドやアスクの価格は、他のFX業者や銀行、ECN業者を使う他の個人投資家の注文を集めたものです。
注文はその時の最良のビッドやアスクとマッチングされて約定します。
ECN業者では手数料を取られます。月間取引数量により手数料が変わったり、ロットの大きさにより固定的な手数料が決まっているこが多く、大きなロットで取引するほどコストが安くなります。
大口トレーダーの取引コストを安くできる一方、零細トレーダーは逆に取引コストがかさむケースが多くなるでしょう。