ピンバーを使った具体的なトレード手法を誰よりも分かりやすく解説します。「どこでエントリーしたらいいの?」「どこでロスカットしたらいいの?」このページを読めば全部わかります。ピンバーは上ヒゲや下ヒゲのローソク足のことで、数あるローソク足パターンのなかで最も強力な反転パターンです。
Pinバーとは?ピンバーの由来
上ヒゲのローソク足と下ヒゲのローソク足のうち、一定の条件を満たしたものをピンバー(Pinバー)と呼びます。
なんか下ヒゲのローソク足ってとがっている感じがするので、ピンバーの「ピン」はガビョウなどのピンのことだと思いきや、そうではないようです。
ピノキオ(Pinocchio)のPinだそうです。
でもそんなことはどうでもいいですね(笑)
下ヒゲや上ヒゲのローソク足のうち、絶好の逆張りエントリーチャンスとなっているものをピンバー(Pinバー)と呼ぶってことを覚えておいてください。
今後このブログでも普通に下ヒゲや上ヒゲのローソク足のことをピンバー(Pinバー)と呼ぶこともあるとおもいますので、ここでしっかりと覚えておいてくださいい。
あと、ピンバーはピノキオですから、「ヒゲ」ではなく「鼻」と表現するのが正しいのでしょうが、このページを読んでいない人に「鼻」と言っても「はぁ?」となってしまいそうなので、「ピンバーのヒゲの部分が…」といったような表現を使うことにします。
ここ大事なことなんですが、ピンバーは反転のシグナルです。
ですからピンバーをシグナルとしてエントリーするのは、基本的にはスイングハイとスイングローだけです。
(スイングハイは値動きの山の部分、スイングローは値動きの谷の部分のことです)
値動きが反転するシグナルであって、値動きが継続するシグナルではないってことを覚えておいてください。今はちょっと言っている意味が分からないかもしれませんね。ここは後から詳しく解説します。
ピンバーがピンバーであるための条件は以下の通りです。
- ピンバーのヒゲの部分の長さは、少なくとも実体部分の値幅の3倍ぐらいある
- ヒゲの部分が周りのローソク足のから突き出している
ピンバーの見た目は、こんな感じです。
買いのピンバー | 売りのピンバー |
ピンバーが陽線であるか陰線であるかは、私は気にしません。
上記2つの条件を満たしていたら、それは私にとってピンバーです。
ピンバー(Pinバー)のエントリー手法
ピンバーのエントリー手法はどうするかというと…
買いのピンバーなら、ピンバーの高値ブレークアウト
売りのピンバーなら、ピンバーの安値ブレークアウト
でエントリーします。
下のチャートを見ていただけると分かりやすいです。
買いのピンバーのエントリー | 売りのピンバーのエントリー |
ピンバーでのエントリーにはブレークアウトエントリーだけを使っています。
空売りのエントリーなら、ピンバーの安値をブレークした後の戻りを待つようなことはしません。
ピンバーの条件を満たしていて、背景状況的にも売りだと思うなら、単純にピンバーの安値マイナス数ピップスのところに逆指値注文を置くだけです。
逆指値注文にはいくつか注意点があります。
買いの逆指値注文にはスプレッド分を上乗せすることや、
時間軸によって数ピップスの幅を持たせて注文を入れることなどです。
その辺りのところは
で詳しく解説してありますので必ず確認しておいてください。
ピンバーエントリー手法のロスカット設定
ピンバーを使ったエントリー手法のロスカット注文の位置は
買いのピンバーなら、ヒゲのすぐ下
売りのピンバーなら、ヒゲのすぐ上
になります。
買いのピンバーのロスカット設定 |
売りのピンバーのロスカット設定 |
ピンバーの髭が長い場合のロスカット設定はどうする?
時々ピンバーの髭が長くてロスカット幅が広すぎる場合があります。
そんな場合はどうするかというと、ピンバーの70%の位置にロスカット注文を置きます。
長いヒゲのピンバーが出て、その70%の位置まで戻してしまったなら結局高値もブレークしてロスカットになることが多いので、70%でロスカットしてしまうのもありです。
ピンバーを使ったエントリー手法の注意点
ピンバーが出現してからエントリーシグナルが発生するまでに結構時間がかかることも多いです。
そんな時、初心者は我慢できずにフライイングしてエントリーしてしまいがちです。注意してください。
ピンバーは反転のシグナルです。
そして相場が反転するには、大抵の場合時間がかかります。
だからピンバーが成立するには時間がかかるのです。
スイングハイで売りのピンバーが出たということは、それまでは買いが支配権を握っていたということです。
考えてみてください。ピンバーがヒゲになる直前には、物凄い勢いのある陽線だったわけです。
そのような強い買いの支配権が売りの勢力に奪われるには、ごたごたが起きてもうなずけるでしょう。
売り勢力が強まるサインとして上ヒゲのピンバーなどが出現します。
しかし、そのサインが出た後も、買いの勢力がおとなしく引き下がるとはかぎりません。
買い方が最後の抵抗をすることも多いです。
ですから、ピンバーが出たあと、狭い値幅のローソク足でしばらくの間ウダウダすることがあります。
それは、買いによる最後の抵抗を売り方が吸収している状態です。そしてそれは悪いことではありません。
トレーダーとしてのあなたの仕事は、ピンバーの安値をブレークするという売りシグナルが発生するまでは落ち着いて見守ることです。
ピンバーエントリーのシグナルが発生する前にヒゲの頂点を抜けてしまったら、そのピンバーのエントリーはキャンセルします。
例えば売りのピンバーの場合、ピンバーの安値をブレーキアウトする前にピンバーの高値を抜けたら、そのピンバーを使った売りエントリーはキャンセルするということです。
買いのピンバーでも同じです。
ピンバー手法の例
ピンバーでエントリーする状況はいろいろあります。
レジスタンスラインやサポートラインでトレンドに逆らうピンバーエントリー
主要なレジスタンスラインやサポートライン付近でピンバーが出現したら逆張りを狙います。
レジスタンスラインやサポートラインを抜けた後の戻りでピンバー
主要なレジスタンスラインを下抜けしたあと、そのレジスタンスラインに戻ってきたところで売りのピンバーが出たら空売りを狙います。
AUD/USDの例です。
日足はダウントレンドで、主要なサポートランを下抜けしたあと、そこがレジスタンスラインに変わる状況でした。
トレンド相場のプルバック(押しや戻し)でピンバー
明確なトレンドが発生している状態で、トレンドに逆らう値動きの中でピンバーが出現したらプルバックエントリーを狙います。プルバックとは押しや戻しの値動きのことです。
下のチャートは上昇トレンド中のプルバックでピンバーが出現した例です。
(○ = 利食いできたピンバー × = ロスカットになったピンバー)
このように、ピンバーは様々な状況でエントリーシグナルに使えます。
ピンバーはFXのトレードにおいて最も大切なエントリーシグナルですので必ずマスターしましょう。
最高のピンバー ~ダマシのブレークアウトでピンバーが出現したら最高のエントリーシグナル
ピンバーは期待値の高いエントリーシグナルですが、全てのピンバーが同じように素晴らしいわけではありません。
最高のピンバーというものが存在します。
最高のピンバーは、ダマシのブレークアウトで出現するピンバーです。
ダマシのブレークアウトで出現するピンバーとはどんなものかというと…
ピンバーのヒゲの部分が主要なサポートラインやレジスタンスラインを勢いよく突き抜けたのに、結局最後には戻ってきてしまい、ヒゲになってピンバーを形成したものです。
ピンバーのヒゲの部分がブレークアウトで飛び乗るタイプのトレーダー達や、そこにロスカット注文を入れていたトレーダー達を罠にはめた状況です。
このようにトラップ(罠)がからむエントリーシグナルは最も期待値の高いエントリーシグナルです。
下のチャートは、主要なサポートラインを下抜けしたあとに急激に戻って下ヒゲになっています。
ヒゲになる直前はいかにも下にブレークするように見えたはずです。
この動きのなかでたくさんの売り手が罠にかかっています。
このピンバーの高値を抜けたら多くの売り手がロスカットするでしょう。
彼らのロスカットは成り行き買い注文です。
だから価格が上がりやすいのです。
この考え方をしっかりと理解して頂くためにもう一つ例を挙げておきます。
これは先程も登場したチャートです。
エントリーシグナルとなったピンバーは主要なレジスタンスラインを抜けてはいませんでした。
しかし、1つ前の波の頂点(チャートではSHとなっている部分)を一旦上抜けしたあと戻ってしまってヒゲになり、ピンバーが形成されています。これは素晴らしいエントリーシグナルです。
一方、エントリーシグナルになったピンバーの5本ほど前に、形だけは一応ピンバーの条件を満たしているっぽい上ヒゲのローソク足があります。しかしこの上ヒゲはどの高値も上に抜けていません。
これではブレークアウトトレーダーを罠にかけきれていないので、優位性のあるエントリーにはなりません。
誰かが罠にかかったのを確認し、絶妙なポイントでその逆方向にエントリーするのがプライスアクショントレーダーの仕事です。
ピンバーのインジケーター
ピンバーのシグナルをチャート上で検出してくれるインジケーターを使うと便利だと思いませんか?そんな便利なインジケーターが存在します。
MT4でピンバーを検出できる高機能なインジケーター
現在このサイトの管理者が超高機能なプライスアクションインジケーターを開発中です。近々このページを見てくれた人に無料で使っていただけるようにします。またしばらくしたらこのページに戻ってきてっ下さい。
TradingViewでピンバーを検出できるインジケーター
TradingViewにも無料で使えるプライスアクションのインジケーターがあります。
CM_Price-Action-Bars-Price Patterns That Work!
という名前のインジケーターです。
詳細はこちらのページで解説しているので参考にしてください。
ピンバー 最近の事例
ピンバーを使った手法の最近の事例をご紹介していきます。継続的に追加していくので、是非時々このページを見てください。
2019年12月13日 ERUGBP
まずEURGBPの日足を見てください。元々意識されていたサポートエリアを下にブレークアウトしたので注目していたところ、サポートがレジスタンスラインに変わった辺りに戻ってきたところで売りのピンバーが出ました。
日足だけだとエントリーが遅れるので、4時間足などの下位足も見てエントリー多いんミングを伺います。
日足のピンバーを形成中、一足先に4時間足で含み線が出ました。4時間足も見ていたので日足のピンバーが完成するよりも前に4時間足の含み線シグナルを使って小さなロスカット幅でエントリーすることができています。
4時間足の含み線の形成においてできだかが大きく増えていることも注目です。
残念ながら、最終的にこのピンバーの売りシグナルはダマしとなり、ロスカットとなりました。
しかし4時間足の含み線でエントリーしていた場合はポジションの一部を利食いするちゃんすがあったので、トータルでは少しプラスかトントンで終えることができています。
日足でシグナルが出そうな場合は4時間足や1時間足なども見てマルチタイムフレーム分析をすることでレワードリスク比を良くすることができる事例となります。
2020年1月10日 金(Gold)
金(Gold)の日足で、意識されている価格帯で売りのピンバーが発生しました。
4時間足でも一足先にピンバーが完成したので4時間足でショートエントリーし、日足のピンバー確定で乗せました。
金の4時間足↓
日足のピンバーは含み線でもあります。前の2日分の日足をすっぽりと包む形でピンバーになっている点に注目です。
ただし、金の日足も4時間足も強い上昇トレンドにあるので注意が必要です。ここから下落に勢いが乗らず、逆に買いシグナルが4時間足で発生したらすぐにエグジットするつもりです。
日足レベルのトレンドに逆らう逆張りトレードですが、意識されている価格帯で明確な売りシグナルが複数の時間軸にわたって発生しているのでエントリーする価値があると考えました。トレードは確率のゲームですからね。
ピンバーのまとめ
ピンバーは最高のエントリーシグナルです。
プライスアクショントレーダーのあなたは、ピンバーがどこで出たのかを見極める必要があります。
また、ピンバーでエントリーしたあとのポジション管理をマスターしていなければいけません。
全てのピンバーが同じように優位性があるわけではありません。
中には他のピンバーよりも圧倒的に有利なピンバーがあります。
最高のピンバーだけをトレードし、平凡なピンバーはスルーする。
そうできるかどうかは、あなたの忍耐力次第です。
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プライスアクション講座 もくじ