サポートラインとレジスタンスライン
FX相場では同じことが何度も何度も繰り返されます。
「サポートラインやレジスタンスラインで相場が反応する」というのもその一つです。FXでは他の相場よりもサポートラインやレジスタンスラインを尊重するような動きが顕著に表れます。
サポートラインとレジスタンスラインを利用してトレードするスキルはとてつもなく重要なスキルです。必ずマスターしてださい。
サポートライン/レジスタンスラインを引くのが最初のステップですが、それだけでは意味がありません。どう利用するかが大切です。
レンジ相場になっていないか?
トレンド相場なら、プルバック(押しや戻し)はどこで止まりそうか?
今、サポートライン/レジスタンスラインに近づいていく動きの中にいるのか?
今、サポートライン/レジスタンスラインから離れていく動きの中にいるのか?
エントリーしたあとなら、一番近いレジスタンスライン/サポートラインはどこか?
そういったことを意識することで、ラインを利用して優位性のある意思決定ができます。
日足のラインを使う
私が一番お勧めするのは、日足でサポートライン/レジスタンスラインを引いて、そのラインを使って日中足(4時間足や1時間足や15分足)でエントリーするという方法です。
ほとんどのトレーダーに意識される最高のサポートライン/レジスタンスラインは日足で見つかることが多いです。ですから、日足で引いたラインを使って日中足でトレードするということは、「ほとんどの人が意識しているライン」を使って優位性のあるトレードをすることができるということです。
そうすれば、あまり意味のないエリアでエントリーして無駄なロスカットを繰り返すのを避けることができます。
「無駄なエントリーを繰り返してしまう」というのはトレーダーにとって致命的なミスです。小さな時間軸のチャートだけを使ってラインを引いていると、この致命的なミスにハマってしまいやすいので注意してください。
常に、自分がメインでトレードする時間軸よりも1つ上の時間軸でラインを引くようにしてください。日足を見ている人が世界中で一番多いでしょうから、「どんな時もまずは日足でラインを引く」というのは良い方法です。
月曜日、週の初めにFXトレーダーがやるべきことは、落ち着いて日足を眺め、重要なサポートラインとレジスタンスラインを引くことです。自分がトレード対象としている通貨ペアすべてに目を通します。
それぞれの通貨ペアに2本のラインを引くのが簡単でオススメな方法です。
1本は今の価格よりも下に、もう一本は今の価格より上に引きます。
別の言い方をすると、主要なサポートラインを1本、主要なレジスタンスランを1本、合計2本のラインを日足上で引くということです。
チャートをシンプルな状態にしておくことはトレーダーにとってとても大切なことです。いろんなラインを何十本も引くようなことはしないでください。ローソク足を読む感覚が鈍りますから。
一旦たくさんのラインを引いたとしても、最終的には不要のラインは消去してチャートがごちゃごちゃにならないようにしましょう。
サポートラインやレジスタンスラインに完璧さを求めてはいけません。それらは重要なエリアです。過去の値動きで価格が反応したエリアです。
一本の細いラインを引いて、そこで寸分の狂いも無く完璧にチャートが反応することを期待してはいけません。そうではなく、その辺りをエリアとしてとらえ、「ここら辺がまたサポートライン/レジスタンスラインとして意識されるだろうな」ぐらいに考えおくことが重要です。
サポートラインとレジスタンスラインのシンプルな引き方
サポートラインとレジスタンスラインを引く作業は複雑なものではありません。まぁ、複雑にすればいくらでも複雑にできますが、その必要はありません。誰が見ても明らかなポイントにラインを引けばいいです。
こんなふうに考えてください。もしあなたがチャートをぱっと見て簡単に引けるラインなら、他のトレーダーも同じポイントにラインを引いているでしょう。結局、みんなが意識しているラインだからこそ、そこで価格が反応するのです。だからシンプルに考えて、パッと引けばいいです。
水平のラインだけを使う人、トレンドラインを使う人、移動平均線を使う人、いろんなトレーダーがいます。
どんなラインを使うかはその人の好みです。
大切なことは、誰もが引いていそうなラインを引くことと、あまりたくさんのラインでごちゃごちゃにならないようにすることです。
例えばこれはある日のドル円の日足なんですが、スイングトレードをするならこんな感じで十分です。
赤いラインがレジスタンスライン/サポートラインです。
グレーのラインは今の価格に自動的に引かれるラインなので無視してください。
見ての通り、直近のスイングハイとスイングローに引いているだけです。
この2本は誰が見ても明らかなポイントですよね。
上昇トレンドが継続していくならレジスタンスラインを越えていかないといけませんし、反転するならサポートラインを明確に割り込まないといけません。レンジ相場になるとしても、この2つのポイントでエントリーを狙うことになります。
とりあえずこの2本のラインを引いてそこに価格が近づいてくるまでは手出し無用です。
優位なポイントでエントリーすることはとても重要なことです。なぜなら私たちは大口と同じ側に付きたいからです。
大口は主要なサポートラインに下げていくところで売りポジションを作ろうとはしません。ですから、主要なサポートラインに下げていく動きで空売りしようとはしないことです。
それよりも、サポートラインでのローソク足を見極めて買いを狙う方が賢いです。大口はそこで反転させてくることが多いからです。
そのラインがとても重要なラインなら、その瞬間のトレンドはそれほど重要ではありません。
めったなことでトレンドに逆らうべきではありませんが、主要なラインに向かっていく動きには逆張りを狙う方が有利です。
何度も何度も買われているサポートラインでは買いを狙い、
売られているレジスタンスラインでは空売りを狙います。
上のチャートはダウントレンド中の日足のチャートです。
レンジ相場を挟みながら下げていっているのが分かります。
2本の明確なレジスタンスラインと、1本の明確なサポートラインを引けます。
これらのラインまで引きつけてエントリーするのが賢い方法です。
ダウントレンド中ですから、ここからサポートラインを下にブレークアウトしていく可能性の方が高いです。ですから、サポートラインをブレークアウトするのを待ち、プルバック(戻り)で空売りを狙うという戦略になります。
しかし、レンジをブレークアウトするまではレンジ相場ですから、それまではレジスタンスラインで逆張りをする戦略をとります。
もちろん、「まだレンジが続く」もしくは「相場が反転して上昇トレンドになる」という読みがあるなら、サポートラインで買いを狙うのも全然ありです。
なんにせよ、主要なラインまで引きつけてエントリーすることです。
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