通貨を買ったり売ったりするのがFXです。
FXで売買をする方法は、株や先物と大して変わりません。
株の経験がある方ならすぐに慣れることができるでしょう。
しかし、FXとは何か?の記事でも触れましたが、FXでは「何を買うか?」だけでなく、「どの通貨を使って買うか?」ということもあるのでちょっと複雑ではあります。
このページではその辺りのことをスッキリと理解して頂きます。
FXでは、ある通貨と別の通貨をその時の為替レートにしたがって交換します。
それは別の言い方をすると、
ある通貨を売って、同時にそれと同じ価値の分だけ別の通貨を買うということです。
その目的は、買った方の通貨の価値が、売った方の通貨の価値に比べて値上がりし、手仕舞いするときに利益を上げることです。
超巨大なFXマーケットで行われる取引の90%は、このような投機的な目的のために行われています。
USD/JPYを1万通貨買うということの意味
例を挙げてみましょう。
・トレーダーの行動(エントリー)
USD/JPYを10,000通貨買った。
その時のUSD/JPYのレートは102.55円だった。
・その意味
何をした?
米ドル(USD)を10,000ドルを、買った。
どの通貨を使って買った?
日本円を使って買った。
日本円をいくら払った?
1,025,500円支払った。
・トレーダーの行動(手仕舞い)
保有していたUSD/JPY 10,000通貨 を売った。
その時のUSD/JPYのレートは103.00円だった。
・その意味
何をした?
保有していた米ドル(USD)を10,000ドルを売った。
いくらで売れた?
1,030,000円で売れた。
儲けは?
1,030,000 – 1,025,500 = 4,500
4,500円儲かった!
この一連の流れを表にしてみましょう。
トレーダーの行動 | USD | JPY | 行動の意味 |
USD/JPYを10,000通貨買った。 その時のUSD/JPYのレートは102.55円だった。 | +10,000 | -1,025,500 | 何をした? 米ドル(USD)を10,000ドルを、買った。 どの通貨を使って買った? 日本円をいくら払った? |
保有していたUSD/JPY 10,000通貨 を売った。 その時のUSD/JPYのレートは103.00円だった。 | -10,000 | +1,030,000 | 何をした? 保有していた米ドル(USD)を10,000ドルを売った。 いくらで売れた? |
利益4,500円が発生した! | 0 | +4,500 | 儲けは? 1,030,000 – 1,025,500 = 4,500 4,500円儲かった! |
為替レートというのは、2つの通貨どうしの価値を比較した比率、交換比率です。
たとえば、ドル円(USD/JPY)のレートは、1ドルを買うために、日本円がいくらいるのかを示しています。
為替レートの読み方
為替レートは常にペアで提示されます。EUR/USDとか、USD/JPYといったようにです。なぜなら、FXの取引においては常に、ある通貨を売って、それと同じ価値の分だけもう一方の通貨を買うということが行われるからです。
下記はドル円(USD/JPY)レートを図にしたものです。
”/”の左側の通貨をベース通貨と言います。この例ではUSDです。
一方、右側の通貨をクォート通貨といいます。この例ではJPYです。
この通貨ペア(USD/JPY)を買う場合には、この為替レートはベース通貨である米ドルを1単位を買うために、クォート通貨である日本円がいくら必要かを示しています。
逆にこの通貨ペアを売る場合にこの為替レートが教えてくれるのは、
「ベース通貨を1ユニット売ることで、クォート通貨をいくら手に入れることができるのか」ということです。
この例だと、米ドルを1ドル売ると、日本円で102.55円が手に入るということを示してます。
ベース通貨は、その通貨ペアの売買の基準となる通貨です。
USD/JPYを買うのであれば、それは単純に米ドルを買い、同時に同じ価値の分だけ日本円を売るということです。
ベース通貨の価値が、クォート通貨の価値に比べて上がると予測するならその通貨ペアを買います。
逆に、クォート通貨の価値がベース通貨の価値に比べて上がると予測するなら、その通貨ペアを売ればいいのです。
ロングとショート
FXでは買から入ることも、売りから入ることもできます。
ある通貨ペアを買うというのは、ベース通貨を買い、クォート通貨を売ることでした。その目的は、ベース通貨の価値が上がったところで高値で売って利益をあげることです。
トレーダーの世界では、このある通貨ペアを買うという動作を「ロングする」などと言います。
ある通貨ペアを売るということは、ベース通貨を売り、クォート通貨を買うということでした。その目的は、ベース通貨がクォート通貨に対して値下がりしたところで買い戻し、利益を上げることです。
このように売りから入ることを、トレーダーの世界では「ショートする」といいます。
ビッドとアスク
FXでは2つのレートが提示されます。
ビッドとアスクです。ビッドの方が低いレートになります。
左側がビッド、右側がアスクです。
ビッドは「売り」や「売値」や「bid」と表示されることもあります。
アスクは「買い」や「買値」や「ask」と表示されることもあります。
ビッド(bid)とは、FX業者が「このレートなら、今すぐ買いますよ」というレートです。
つまり、あなた(トレーダー)の立場からすると、「このレートなら今すぐ売れる」レートです。
一方アスク(ask)とは、FX業者が「このレートなら、今すぐ売りますよ」というレートです。
あなた(トレーダー)の立場からすると、「このレートなら今すぐに買える」レートです。
ビッド(今すぐ売れるレート)とアスク(今すぐ買えるレート)には差があり、ビッドのほうがアスクよりも低いレートになっているはずです。
この差をスプレッドと言います。
上記のドル円の例だと、ビッドは103.922、アスクは103.928です。
0.006の差があります。
あなたが今すぐUSD/JPYを買おうとすると103.928で買えます。
今すぐに売ろうとすると103.922で売れます。
要するに、ロングしてもショートしても、約定した瞬間に0.006分だけ含み損の状態から始まるということです。
この差の一部がFX業者や銀行の利益になります。
しかしこのスプレッド、ここ数年でめちゃくちゃ狭くなりました。
昔は今の2~3倍は開いてましたから。
良い時代になったものです。