フィボナッチとは?から始まり、FXにおけるフィボナッチの使い方や具体的なトレード手法、さらにはMT4などのフィボナッチツールの使い方、そしてほとんどの人が知らないフィボナッチのコツまでを、誰よりも分かりやすく解説しています。
この記事の目的は、あなたが世界中のフィボナッチトレーダーの一歩先を行ってもらうことです。押し目や戻りのエントリーだけではなく、FXのプロがよく使う逆張り手法への応用までを理解しましょう。
この記事の最後の方では、あまり語られることのない、プロだけが知るFXフィボナッチのコツが書いてあります。ぜひ最初から最後まで、目を皿のようにして読んでください。
フィボナッチとは
フィボナッチ、変な名称ですよね。
英語だとfibonacciです。
名前の由来はなんでしょうか。
フィボナッチとは人の名前です。
イタリアの数学者、レオナルド・フィボナッチが見つけた数学の法則、フィボナッチ数列というのがあります。
ドゥオモ広場にあるフィボナッチさんの像 wikipediaより
そのフィボナッチ数列をトレードに活かせないか?と誰かが思いついていろいろと考えられたテクニックがフィボナッチトレード手法です。
まずはフィボナッチ数列とはどういうものかに触れておきましょう。
フィボナッチさんが思いついた、ある数字の並びがあります。
0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233….
1番目と2番目の数字を合計すれば、3番目の数字になっています。
0 + 1 = 1
1 + 1 = 2
1 + 2 = 3
2 + 3 = 5
3 + 5 = 8
これが延々と繰り返される数列がフィボナッチ数列です。
最初のいくつかの数字を除き、ある数字と次に続く数字の関係を見てみると面白い関係にあります。
どの数字も次に続く数字の 0.618 倍となっているのです。
たとえば、144 ÷ 233 = 0.618 となります。
それはどこをとってもそうなっています。
また、ある数字と2つあとの数字を比べると別の法則があります。
どの数字も、2つ後の数字の 0.382 倍になっているのです。
この0.618倍、0.382倍というのを「黄金比率」や「フィボナッチ比率」なんて呼びます。
この比率をフィボナッチを使ったトレード手法で利用することになります。
なぜFXでフィボナッチ数列を使うの?
「こんな数列とか比率とかどうでもいいじゃん。それがどうしたんだよ!」
と思うでしょう。私も最初はそう思いました。
しかし、このフィボナッチ比率には、人間の英知を超えたなにかがあるようです。
まずは、自然界にあるものがフィボナッチ係数やフィボナッチ比率になっているというのです。
例えば花弁の数とか、雪の結晶の比率とか、木々の葉っぱの縦横の比率なんかがフィボナッチになっているというのです。
さらに、ピラミッドやスフィンクスなど、人間が作ったとは思えない神秘的な建造物の構造に現れる比率も「フィボナッチ比率」になっているそうです。
FX市場や株式市場の値動きはどうでしょうか?
相場というのは、不特定多数の参加者の感情が渦巻いた結果として起きる現象です。
ある意味ひとつの自然現象ととらえても良いかもしれません。
相場に自然現象的な要素があるのであれば、
チャートに現れる値幅の比率が「フィボナッチ比率」になる傾向があってもおかしくないのではないか?
という考え方が、フィボナッチを利用するトレードの根拠です。
確かに、その理論には説得力があります。
あなたはどう思いますか?
フィボナッチを使ったトレード手法に使われるフィボナッチ比率
能書きはここまでにしておきましょう。
フィボナッチがどんなものであれ、あなたが知っておかなければならないのは、どの比率がフィボナッチトレードに使えるかということです。
フィボナッチリトレースメントに使われる比率
フィボナッチリトレースメントとは、押しや戻しの比率のことです。詳しくはこの後で解説します。
0.236、0.382、0.500、0.618、0.786
このうちで主流なのは0.382、0.500、0.618の3つです。
フィボナッチエクステンション(フィボナッチエクスパンション)やエクスターナルリトレースメントに使われる比率
トレンド相場がどこまで伸びるか?を計る比率です。
1.272、1.618、2.618が良く使われます。
その中でも一番よくつかわれるのは1.618です。
なんだか細かい計算になりそうだな…
と思うかもしれませんが、心配ありません。
ほとんどの業者のチャートソフトがフィボナッチツールを装備しています。
ですから誰でも一瞬でチャートにフィボナッチのラインを表示できます。
もちろん、MT4もフィボナッチツールを標準装備しています。
ですから、フィボナッチの数列とか、比率とか、その計算方法とか覚える必要は全くありません。
フィボナッチとはどんなものなのか、基本的な原理を知っておけばそれで十分です。
フィボナッチライン
フィボナッチ比率はサポートライン/レジスタンスラインを見極めるために使われます。
世界中のたくさんのトレーダーがフィボナッチラインに注目し、そこにエントリー注文や利食い注文、損切注文を入れます。するとそこで価格が何らかの反応をしやすくなります。
フィボナッチのラインを世界中のトレーダーが意識しているので、そこがサポートラインやレジスタンスラインとして機能することが多くなります。
フィボナッチリトレースメントを使ってエントリーする方法
まず、フィボナッチについて覚えておいていただきたいのは、フィボナッチラインを使うトレード手法はトレンド相場でうまくいきやすいということです。
上昇トレンド相場ではフィボナッチリトレースメントを使って「どこで押し目が終了して上昇トレンドが再開するのか?」を予測することができます。
下降トレンド同場ではフィボナッチリトレースメントを使って「どこで戻りが終了して下降トレンドが再開するのか?」を予測することができます。
フィボナッチリトレースメントの引き方
多くのチャートソフトがフィボナッチツールを装備しています。
もちろん、あなたの使っているMT4にも標準装備されています。
フィボナッチリトレースメントの引き方は簡単です。
フィボナッチリトレースメントのラインを引くには、まずフィボナッチツールを有効にします。
フィボナッチツールを使うには、スイングハイとスイングローを認識する必要があります。
スイングハイとは値動きの山の頂点になっているポイントです。
スイングローとは値動きの谷底となっているポイントです。
フィボナッチツールが有効になっている状態で、
上昇トレンド中なのであれば、スイングローをクリックし、直近のスイングハイまでドラッグします。
下降トレンド中なのであれば、スイングハイをクリックし、直近のスイングローまでドラッグします。
最初はややこしいかもしれませんが、実際にやってみるとすぐに覚えます。
実際のチャートの例で解説しましょう。
上昇トレンドにおけるフィボナッチリトレースメントの引き方
これはUSD/JPYの4時間足です。
急激な上昇が始まったので、しばらくは上昇トレンドが続くと予測しました。
しかし単純に飛び乗るのは危険なので押し目を待つことにします。
ここから少し下げるとすると、どこまで下げそうでしょうか?
それをフィボナッチリトレースメントを使って見極めます。
フィボナッチツールを有効にし、
スイングローからスイングハイに向かってドラッグします。
するとご覧のように3本のフィボナッチラインが引かれます。
設定にもよりますが、私の場合だと上から38.2%、50%、61.8%にラインが引かれるように設定しています。
もし上昇トレンドが継続するのであれば、この3本のラインのいずれかに反応して反転し、上昇トレンドが再開する可能性が高いと言えます。
この後どうなったかというと…
まず最初に50%のラインをまたぐ形でピンバーが出現して反転した後、次に38.2%を試し、そのご上昇トレンドが再開しました。
下降トレンドにおけるフィボナッチリトレースメントの引き方
次に、下降トレンドではフィボナッチリトレースメントをどう使えばよいのか、その引き方を解説します。
下の画像はUSD/JPYの1時間足です。
エリオット波動を数えていると、ダウントレンドが5波のインパルス波動となっています。
エリオット波動的に考えると…
「ここからいったん本格的な戻しが入ったあと、ダウントレンドが再開しそうだ」
というシナリオを描きます。
ダウントレンドの場合は、意識している高値から意識している安値に向かってフィボナッチを引きます。
小規模なスイングハイ、スイングローを使うときもあれば、このように主要な高値、安値を使うこともあります。
この場合は意識している高値から、直近の安値に向かってフィボナッチを引きます。
すると下から38.2%、50%、61.8%のフィボナッチラインが現れます。
「もしダウントレンドが継続するのであれば、戻しの動きはこのいずれかで止められて反転する」
といった仮説を立てることができます。
このチャートの場合は、フィボナッチの61.8%ラインで反転してダウントレンドが再開しました。
この2つの例では、フィボナッチラインで相場が反転しました。
多くの人が同じフィボナッチラインを意識していたからです。
あるいは、そこが他の種類のラインと重なっていたのかもしれません。
どちらにしても、多くの人がそのラインを意識していたからこそ反転したのです。
フィボナッチラインを使うときは、「他の多くのトレーダー達も同じラインに注目しているから反転するんだ」ということを理解しておいてください。
フィボナッチラインのポイントに実際に何かがあって、いつもそこで反応してトレンドが再開するわけではありません。
もしいつもフィボナッチリトレースメントのラインでトレンドが再開するなら、トレンドが永遠に続いてしまいます。そんなことはあり得ません。
フィボナッチはアホでも稼げるツールではない!
どんなラインでも、いつもそこで反転するわけではありません。
ラインをブレークアウトしていくこともあります。
フィボナッチラインも例外ではありません。
全てのフィボナッチラインを突き抜けていってしまう事もあります。
「フィボナッチラインでいつも反転する」
そんな過信をしないようにしてください。
また、38.2%、50%、61.8%のうちどのレベルで反転するのかわからないとう問題もあります。
ですから、フィボナッチは単独で使うテクニカルではありません。
他のテクニカル指標、例えば移動平均線などと重なるラインを重視したり、ストキャスティックスなどのオシレーターでタイミングを計ったり、ローソク足のシグナルと組み合わせたりします。
なかでも我々が一番有効だと思っているのは、エリオット波動理論と組み合わせてフィボナッチを使うことです。
どの波動を狙うかにより、どのフィボナッチラインを意識すべきかというガイドラインがあるからです。
例えば「波動2は61.8%で終わることが多い一方、波動4は38.2%で終わることが多い」といったガイドラインがエリオット波動理論にはあるのです。
エリオット波動についてはエリオット波動のページを参考にしてください。
他にも工夫すればいろんな使い方ができると思います。是非あなたもオリジナルなフィボナッチの使い方を開発してください。
あと、どのスイングハイ、スイングローを使うか?という問題もあります。
FXトレーダー達はそれぞれの見方で好きなようにトレードしています。時間軸も人によって違います。
結局のところ、「100%正しい方法は無い」というのが正直なところです。
しかし、「フィボナッチは多くの人が同じラインを意識するから機能する」という原則がありますから、あまり突拍子もない、自分しか気づいていないラインを引いても意味がありません。
誰でもここをスイングハイだと思うだろうな、ここをスイングローだと思うだろうな
そういうありきたりで、一般的で、分かりやすい方法でフィボナッチを引くのがコツです。
そのことは全てのテクニカル分析に言えます。
「当社だけの独自のテクニカル指標を開発しました!2万円で売ります!」なんていう宣伝がありますが、そういった類の物はほとんど意味がありません。自分以外だれも見ていない秘密のテクニカル指標なんて何の意味があるのですか?ということです。
ですから、フィボナッチを引く時も、あまり難しく考える必要はありません。パッと見でココだなと思うスイングハイとスイングローを結んでフィボナッチラインを引けばよいです。
利食い目標を決めるためのフィボナッチ
フィボナッチを使って利食い目標を定めることができます。
それにはフィボナッチ・エクステンションかフィボナッチ・エクスターナルリトレースメントを使います。
なんだか長い名前ですが、理屈は簡単です。
フィボナッチ・エクステンションの引き方
まずはフィボナッチ・エクステンションから。
(フィボナッチ・エクスパンションと呼ばれることもあり、同じ意味です。)
ある上昇の波があり、その後の押し目を買ったとします。
次の上昇がどこまで伸びそうなのかを知りたいですよね。利食いの目標になりますから。
一般的に、2番目の上昇の上げ幅は、最初の上昇の上げ幅と同じぐらいになる
もしくは、2番目の上昇がよく伸びる場合には、2番目の上昇の値幅が1番目の上昇の値幅の1.618倍になると言われています。
普通なら同じぐらいの値幅で、グーンと伸びる時は1.618倍ぐらいまでいくということです。
↓FXCMのTradingStationでフィボナッチ・エクステンションを表示した例
FXCMではフィボナッチ・エクステンションという呼び名です。
フィボナッチ・エクステンションを有効にして1、2、3と順番にクリックすれば上の方にターゲットとなる1倍、1.618倍のラインが表示されます。
残念ながら、このフィボナッチ・エクステンションを正確に描画できる機能を搭載した無料チャートソフトは少なく。MT4にも付いていません。
ただ、近いことはできます。どうやるかというと…
これも上昇トレンドの場合で説明しますね。
上げ1があり、それに対して押しが入ったとします。
1番目の上昇の高値から安値に向けて、フィボナッチを引くんです。
フィボナッチリトレースメントと逆方向に引くということです。
そうすると、上の方に1.618のラインが表示されます。
押しが61.8%で終わって上昇トレンドが再開したなら、1.618のポイントがちょうど上げ1と同じだけ上げたポイントになります。
押しがどこまで下げるかによって1.618地点の意味合いが変わってきてしまうのですが、正確性を求めるよりも、「みんながどこを意識しているか?」という観点で見るならこれでいいように思います。
フィボナッチ エクスターナルリ・トレースメントの引き方
これも上昇トレンドの場合で解説します。
エクスターナル・リトレースメントは、押しの値幅に対して、その後の上げの値幅がどれくらいになるのかを推測する方法です。
一般的には、押しの値幅に対して
通常は1.618倍の値幅になる
伸びの良い時は2.618倍の値幅になる
と言われています。
エクスターナルリトレースメントはほとんどのチャートソフトで完璧に表示できます。
上昇トレンドの場合だと、押しの値動きの高値から安値に向かってフィボナッチを引きます。
すると上の方に1.618と2.618のラインが表示されると思います。
ここがとりあえずの利食い目標となります。
この画像の例もそうですが、いつもそのラインでピッタリと止まるわけではありません。しかし、その辺りでポジションの一部を利食っておくのは上手い方法です。
複数のフィボナッチラインが密集するエリアで利食いを狙う
利食いのターゲットを見極める時に私がよくやるのは、
フィボナッチ・エクステンションとエクスターナル・リトレースメントを両方引き、2つの1.618ラインに挟まれたエリアを利食いエリアとすることです。
さらにそこに他のレジスタンスラインも重なれば、さらに良い利食いターゲットとなります。
「結構適当だな!」と思ったかもしれません。
しかし私はそれでよいと思っています。フィボナッチはシンプルに引くのがよいと思っています。
ややこしかったり、引きにくい方法だったりすると、それは他のトレーダーにとっても同じです。
ややこしい方法はみんなやらないでしょう。
みんながやらない方法でラインを引いても、自分だけが見ているラインになってしまいます。
それでは意味がありません。
フィボナッチやエリオット波動、ハーモニックパターンなどは理論を突き詰めていけばいくらでもあります。その道を極めたの学者みたいな人がいたりもします。
でもそういう人に限って肝心のトレードでは勝てていません。
あなたの目標は、学問的に正しいフィボナッチラインを引くことではありません。学者になることでもありません。
トレードで勝つことだけが目標です。
そのことを忘れないようにしましょう。
フィボナッチをつかった逆張り手法の考え方
フィボナッチを使った逆張り手法の考え方は、↑で解説したフィボナッチを使った利食いと同じです。
下位ポジションを利食いしたいフィボナッチのポイントは、新規で売りたい(ショートしたい)位置でもあるのです。
ただし、利食いではなく、逆張りエントリーをする場合には、相場環境をしっかりと認識する必要があります。
強い上昇トレンドで逆張りするのは愚かなことです。たとえそのポイントがフィボナッチエクステンションとフィボナッチエクスターナルリトレースメントの重複ポイントだったとしてもです。
それ以外は、利食いの場合と同じ考え方なので、利食い目標を決めるためのフィボナッチを、逆張りエントリーするならどうか?という気持ちで、もう一度読んでみてください。
MT4でフィボナッチの設定を変更する方法
フィボナッチとして0.382や0.618などの比率を使うと解説してきました。
あなたが使っているMT4の設定によっては違う比率が表示されるかもしれません。
その場合は正しい数値に変更する必要があります。
方法は簡単です。
まずフィボナッチを引きます。
ドラッグしたところに赤色の点線が出ますので、その点線をダブルクリックします。
すると赤い点線の端に赤色の小さな □ が出ますので、そこを右クリックするとメニューが表示されます。
その中の[fibo properties]をクリックするとフィボナッチの設定画面が表示されます。
Levelの列がフィボナッチの設定です。
上から0、0.382、0.5、0.618、1、1.618、2.618 と設定すればこのページの解説と同じ設定になります。
他にもいろんな考えかたがあり、0.786や1.1218を表示する人もいます。
Descriptionの列ではフィボナッチを引いた時にラインの右に表示される文字列を指定することができます。
あとはラインの色や種類、太さも変更できます。
フィボナッチ計算機
MT4やTradingViewなど、無料のチャートソフトにもフィボナッチツールはたいてい標準装備されているのですが、何らかの理由でフィボナッチ数を手動で計算したい場合には、以下のフィボナッチ計算機が便利です。
使い方は簡単です。
アップトレンドの場合を見てみましょう。
まずはフィボナッチリトレースメントから計算してみます。
100円~200円に上がり、そこからの押し目がどこで止まりそうか?を計算したいとします。
High(b)に高値の200を、Low(a)に安値の100を入力します。
これでCaluculateボタンを押せば結果が表示されます。
次にフィボナッチエクスパンションを計算してみましょう。
Custom(c)に、押し目がどこで止まったかを入力し、Caluculateをクリックすれば計算してくれます。
専業トレーダーが伝授する!フィボナッチを使ったトレードのコツと注意点
ここまでの解説で、あなたはフィボナッチの見方を理解しました。
見方が分かったら、早速トレードするぞ!となるでしょうが、ちょっと待ってください。
ここで解説する注意点やコツを理解してからにしましょう。
人と少し違うことをする
けっこう皆さん、フィボナッチリトレースメントをよく使ってると思います。
考え方がとても簡単ですもんね。
フィボナッチリトレースメントは、FX初心者の方でも、すぐに覚えることができます。
しかし、他のトレーダーがやってるのと全く同じことをすると、だましに引っかかりやすかったりします。
嫌ですけど、相場というのは、そういうものなんです。
FXというのは、みんなで仲良く儲けましょうね(^^)というのではありません。
隙があればダマしてやる! 身ぐるみはがしてやる! の世界です。
ですから、ある程度、人とは違うことをする必要があります。
他の一般的なトレーダーよりも、一歩先を行く必要があるのです。
といっても、誰も知らない秘密のテクニカル指標、自分一人しか使っていないテクニカル指標を使ってエントリーする。ということじゃないです。
そうじゃなくて、
普通に考えると、ここでみんなはこうするんだろうな。だから、その人達がロスカットになるであろうこのポイントでエントリーを狙おう。みたいな考え方でトレードしたほうがいいです。
例えば
ここがフィボナッチ数列のポイントだからエントリー
ということではなく、
ここがフィボナッチリトレースメントの位置だから、ここで買いをねらっている人が多いはず
じゃ、そこで上げそうに見えて、結局上がらなかったら、その人たちが困るでしょ。ロスカットになるでしょ。
だからそこで売りを狙おう。
もしくは、その人たちがロスカットになってから買おう。
といった考え方を持つと、少しずつ負けトレードが減り、勝ちトレードが増え、トータルで勝ちやすくなってきます。
フィボナッチエクステンションやエクスターナルリトレースメントの逆張りを重視する
あと、ほとんどのFX初心者の皆さんが見逃しているのが、フィボナッチエクステンションや、フィボナッチエクスターナルリトレースメントだと思います。
簡単な方のフィボナッチリトレースメントしか見ていなくて、エクステンションなどを見てないんですね。
しかし、むしろフィボナッチエクステンションやエクスターナルリトレースメントの方がずっと勝ちやすいと思います。
スイングハイをブレークアウトしたから買うぞ!といって随分と遅れて買った人がロスカットになる動きを取るような手法です。
もちろん、どんな相場環境でも逆張りが上手く決まるわけじゃありません。
ぐんぐん伸びていき、順張りしたトレーダーが勝つ相場も、もちろんあります。
相場環境によって、フィボナッチを使い分ける
ですから、今がレンジ相場なのか、それともトレンド相場なのかを見極めること。これは絶対に重要です。
そのうえで、今がトレンド相場だと思うなら、そのトレンドに乗って、フィボナッチリトレースメントで押し目や戻しで積極的にエントリーしていく。
一方で、もし今がレンジ相場、もしくはこれからレンジ相場になりそうだと予測するなら、レンジのレジスタンスラインや直近高値を抜けて、フィボナッチエクスパンションやフィボナッチエクスターナルリトレースメントの1218や1618で失速するところで逆張りをすれば良いのです。(先ほど解説した逆張りのフィボナッチを参照)
そういった相場環境による使い分けは絶対に重要です。
じゃ、どうやって相場環境を見極めるのか?
その話題になると、フィボナッチの分析とはまた別の話題になるので、また別の機会で解説できればと思います。
フィボナッチ まとめ
自然界に存在するものの構成はフィボナッチ比率になることが多い。
それと同じように、相場に現れる値幅の比率もフィボナッチ比率になることが多い。
相場で用いられるフィボナッチ比率は
押しや戻しには…
0.236、0.382、0.500、0.618、0.786
このうちで主流なのは0.382、0.500、0.618の3つ。
利食いの目標には…
1.272、1.618、2.618
よくつかわれるのは1.618。
フィボナッチラインで反転することが多い理由は、多くの人がフィボナッチラインを意識しているから。
フィボナッチが上手く機能するのはトレンド相場。
フィボナッチリトレースメントではトレンド相場の押しや戻しがどこで止まるかを予測することができる。
フィボナッチエクステンションやフィボナッチエクスターナルリトレースメントでは、トレンド方向の値動きがどこまで伸びるのかを予測することができる。
複数のフィボナッチラインが密集するエリアや、他のレジスタンスライン、サポートラインと重なるエリアは注目すべき。
フィボナッチは単独で使うテクニックではない。他のテクニカル指標やサポートライン、レジスタンスラインと組み合わせて使うとより威力を発揮する。
とくにエリオット波動理論と組み合わせると有利なトレードをしやすい。
フィボナッチと相場心理を組み合わせると勝ちやすい。
相場環境によってフィボナッチを使い分けると勝ちやすくなる。
他のフィボナッチトレーダーの一歩先を行こう。
以上で、FXにおけるフィボナッチの使い方と具体的な手法の解説を終わります。