チャートパターンとは
ローソク足のプライスアクション手法、テクニカル指標を使った手法などを徹底的に解説してきました。FX初心者だった方もトレードに役立つ武器が揃ってきたと思います。
このページでは、さらに強力な武器を追加します。
それはチャートパターンです。
チャートパターンは、言うなれば、地雷探知機のようなものです。
値動きの爆発が起きそうなポイントを事前に察知し、その爆発の勢いで稼ぐチャンスを与えてくれます。
この記事では、「これ覚えとけばいいでしょ」という基本的なチャートパターンをまとめ的に解説します。
チャートパターンをマスターするための全体像といったところです。次回の記事からはそれぞれのチャートパターンを詳細に解説していきます。
この記事でまずは全体像をしっかりと掴んでおいてください。
ここで解説するチャートパターンを正しく読むことができれば、爆発的な値動きに乗りやすくなります。
チャートパターンを読めると、ブレークアウトが起こりそうなタイミングとその方向性を高確率で予測することができるからです。
チャートパターンには、逆張りの判断に役立つチャートパターンもありますし、順張りに役立つチャートパターンもあります。
この記事では以下のチャートパターンを解説します。
- ダブルトップとダブルボトム
- ヘッドアンドショルダーとインバースヘッドアンドショルダー
- ウェッジパターン(くさびパターン)
- ボックス相場
- ペナントパターン
- 三角持合い(上下対称型、上昇型、下降型)
チャートパターンには3つのグループがある
チャートパターンはたくさんありますが、3つのカテゴリーに分けることができます。それは…
- 反転のチャートパターン
- トレンド継続のチャートパターン
- どっちつかずなチャートパターン
反転のチャートパターン
反転のチャートパターンは「今にも相場が反転しそうだよ」と教えてくれるチャートパターンです。
上昇トレンド中に反転のチャートパターンが出たら、上昇トレンドが終わって下降トレンドが始まるかもしれない兆候になります。
反対に、下降トレンド中に反転のチャートパターンが出たら、下降トレンドが終わり上昇トレンドが始まるかもしれない兆候となります。
覚えておきたい反転のチャートパターンが6つあります。
- ダブルトップ
- ダブルボトム
- ヘッドアンドショルダー
- インバースヘッドアンドショルダー
- 上昇ウェッジ
- 下降ウェッジ
上昇トレンドから 下降トレンドに反転 | 下降トレンドから 上昇トレンドに反転 |
ダブルトップ | ダブルボトム |
ヘッドアンドショルダー | インバース・ヘッドアンドショルダー |
上昇ウェッジ | 下降ウェッジ |
これらのチャートパターンでエントリーするには、単純にネックラインの外側、新しいトレンドの方向に逆指値注文を置くのが一般的です。
そして利食い注文はパターンの高低差の分だけ進んだところに指値注文を置きます。
ロスカット注文はブレークアウトがダマシだったと分かるポイントに置きます。
例えば、ダブルトップのチャートパターンが出たとしましょう。
ダブルトップのパターンのネックラインの数ティック下に逆指値の売り注文を置いてエントリーします。そしてダブルトップの高さの分だけ取って利食いします。
反転のパターンをトレードする場合になによりも大切なことは、「レジスタンスラインやサポートラインに到達しているか?」ということです。
逆張りをするわけですから、そこが良い逆張りポイントでなければいけません。
上昇トレンドに逆張りをするなら、そこがレジスタンスラインでなければいけません。
逆に下降トレンドに逆張りをするなら、そこがサポートラインでなければいけないということです。
トレンド継続のチャートパターン
次にトレンド継続のチャートパターンを解説します。
トレンド継続のチャートバターンとは、そこまでのトレンドがいったん失速しますが、トレンドが再開してそれまでと同じ方向にトレンド継続していくことを示唆するチャートパターンのことです。トレンドを継続するためにエネルギーを溜めこむ期間といってもよいです。
トレンド継続のチャートパターンとして覚えておいていただきたいのは次の6パターンです。
- 上昇ウェッジ
- 下降ウェッジ
- 上昇ボックス相場
- 下降ボックス相場
- 上昇ペナント
- 下降ペナント
ウェッジパターンは反転のチャートパターンにも登場しましたが、トレンド継続のチャートパターンにもなり得ます。ウェッジパターンがどんな値動きの中で出たかによって意味合いが異なるのです。
上昇トレンドの継続 | 下降トレンドの継続 |
上昇トレンド中の下降ウェッジ | 下降トレンド中の上昇ウェッジ |
上昇トレンド中のボックス相場 | 下降トレンド中のボックス相場 |
上昇トレンド中のペナント | 下降トレンド中のペナント |
これらのパターンでエントリーする方法を解説します。
エントリーは基本的にパターンのブレークアウトでエントリーします。もともとのトレンド方向にブレークアウトした場合にエントリーします。
利食いの位置は、基本的にはチャートパターンの高さの分だけ進んだ位置で利食いします。
どのチャートパターンもトレンド中にいったん一時的なレンジ相場になったものですが、そのレンジの幅の分だけ進んだら少なくともポジションの一部は利食いします。
ただし、チャートパターンの上下幅がかなり狭い場合は、フィボナッチの考え方を導入し、チャートパターンの幅の1.618倍の位置で利食いするなど工夫してください。
また、レジスタンスラインやサポートラインがある場合にはそこで利食いします。
相場環境はトレンド相場なので、ポジションの一部で利益を伸ばすのもありです。
ロスカット注文を入れる位置は、チャートパターンのブレークアウトがダマシだったと分かる位置に入れます。
チャートパターンの反対側にロスカット注文を入れるのが一般的です。しかしチャートパターンの高さがかなりある場合はロスカットの幅が広くなりすぎるので、ラインをブレークした後にラインの内側に戻ってきてしまったポイントでロスカットするようにします。
どっちつかずのチャートパターン
どっちつかずのパターンはトリッキーでトレードするのが難しいパターンです。
背景の相場環境やレジスタンスライン/サポートラインを考慮し、これからどっちに進むか全く予想がつかないような状況で起きる三角持合いのことです。
例えば、明確な上昇トレンド中だったとします。目の前にこれといったレジスタンスライン(抵抗線)が無い状況で三角持合い的なパターンが出たらどうでしょう。
「ブレークアウトするなら上だろう」という予想を立てて戦略を練ることができます。
しかし、上げるのか下げるのか予想しにくい状況で三角持合いになった場合には、とにかくどっちにブレークアウトするのかを見守るしかありません。
レジスタンスラインの手前での安値を切り上げながらの三角持合い |
サポートラインの手前での高値を切り下げながらの三角持合い |
主要なラインを跨ぐようにして乱高下する三角持合い |
基本的には三角持合いをブレークアウトした方向にエントリーすればよいのですが、だましのブレークアウトもかなり多くなります。
初心者がトレンド相場で稼いだ利益を吐き出すのはこのような状況が多いと思います。
上の2つのチャートパターンは主要なレジスタンスライン、サポートラインをブレークアウトしていくというのが通説ですが、私の経験からすると、かなりダマシのブレークアウトも多いです。
3つめの乱高下のチャートパターンの場合はもうどっちに進むかは予測がつきません。
「買い手か売り手、どっちが罠にはめられたか?」という目線で見るのがコツです。
三角持合いのブレークアウトがダマシになった後の反対側へのブレークアウトはかなり期待値が高いエントリーですから、これは狙わない手はありません。
最初のブレークアウトがロスカットになったとしても、勇気をもって反対側へエントリーすべき状況です。
私の場合、方向感のない相場での三角持合いはダマシのブレークアウトがあった後の反対側のブレークアウトを好んで狙います。
このあたりのところはいろんな考え方があると思いますが、一つの例として参考にしてみてください。
利食いとロスカットの考えかたは先程まで解説してきた他のチャートパターンの方法と全く同じです。
チャートパターン まとめ
チャートパターンには3つのタイプがある。
- 反転のチャートパターン
- トレンド継続のチャートパターン
- どっちつかずなチャートパターン
逆張りをする倍には、レジスタンスラインやサポートラインで反転のチャートパターンが出るのを待ってエントリーするのがよい。
明確なトレンドが出ている状態で、目の前に明確なレジスタンスラインやサポートラインが無い場合には、トレンド継続のチャートパターンを待ってトレンド方向へのブレークアウトをトレードするのがよい。
どっちつかずのチャートパターンの場合は、だましのブレークアウトが頻発する。
ダマシのブレークアウトが起きたあとの反対側へのブレークアウトで仕掛けるのがよい方法。
「売りか買いのどちらが罠にはめられたのか?」という目線で見るのがコツ。