FXをトレードするためには、FX業者に口座開設する必要があります。数あるFX業者のなか、どの業者を選べばよいのでしょうか?
この記事では、FX口座を選ぶ際に考慮すべき9つの知恵を解説します。この9つの知恵を持っていれば、あなたにピッタリなFX業者を選べるでしょう。
FX業者は競争が激しいので、それぞれの業者が趣向を凝らして様々なサービスを提供しています。FXの口座開設をする際には、初心者でも上級者でも「どこがいいかな?」と頭を悩ませるものです。
規制をちゃんと守っているか?信用できるFX業者か?預託保証をちゃんとしているか?などは、日本でFX業者を営んでいる限り心配ありません。日本はFXの規制が厳しい国なので、国内のFX業者に口座開設をしておけば安心です。
しかし、自分に一番向いているFX業者は?となると、なかなか難しい選択になります。自分がFX業者に求めているサービスは何なのか?何を重視するのか?によって自分に最適なFX業者は変わるからです。
FX口座開設の知恵1 そのFX業者は信用できるか?
FX業者が信用できるかどうかを見るには、まずそのFX業者がどの国の業者かが重要です。
全ての国において同じルールでFX業者が規制されているのではありません。規制や監視が厳しい国もあれば、それほどでもない国もあります。日本はFX業者への規制が最も厳しい国の1つです。
FX業者が厳しく監視されていて安心感のある国は
- 日本
- イギリス
- ユーロ諸国
- オーストラリア
- スイス
以上の国のFX業者であれば、最低限の信頼性は担保されています。
スイスのDukascopyはかなり使いやすい業者ですので、海外の口座も選択肢に入れている方にはおすすめです。
どんなにスプレッドが狭くても、どんなに魅力的なサービスを展開していても、上記の国以外のFX業者は避けるようにしてください。
FX初心者の方は、わざわざ海外に口座を作らなくても、日本国内の優良なFX業者を選択することをお勧めします。
FX口座開設の知恵2 トレードツールの安定性と使いやすさ
あなたがもしデイトレーダーやスキャルパーなら、トレードツールが使いやすいこと、ほぼ絶対にフリーズしないということが重要になります。
指標時に頻繁にフリーズしてしまうようなトレードツールだと、安心してデイトレードをすることはできません。
使いやすいトレードツールとは、素早くエントリーしたり、簡単に利食い/損切り注文を出せるツールのことです。
デイトレードやスキャルピングをやるなら、
- 操作が分かりやすい
- ロスカット注文と利食い注文をエントリーと同時に簡単に入れることができる
- チャート上のドラッグ&ドロップで注文を変更することができる
が重要になります。
GMOクリック証券のはっちゅう君FXや、FXCMジャパン証券のトレーディングステーションはこの点でかなり優秀なトレードツールです。(他にもたくさんすぐれたツールを提供している業者はあります)
(追記)2016年からはTradingViewを使ってチャート分析を行っています。
操作がややこしくて操作ミスを誘うようなツールだと、スピードが求められる状況で大きな損失につながることがあります。
ですから、デイトレーダーやスキャルパーは、スプレッドの狭さだけでなく、トレードツールの操作性でFX業者を選択すべきです。
操作性や操作スピードは、スピードを求められないスイングトレーダーや長期の投資家にとってはそれほど重要ではないかもしれません。しかしトレードスタイルに関わらず、トレードツールが使いやすいに越したことはないと思います。
FX口座開設の知恵3 業者の規模が大きいこと
業者の規模は大きければ大きいほうが良いです。取引量が多い業者では有利なスプレッドでトレードできる確率が高くなります。
FX業者というのは、営業マンのような存在です。インターバンク市場と我々一般投資家を結び付けてくれる営業マンです。
営業マンが仕入れ先に対して立場が弱ければ、仕入れ値が高くなり、顧客は高い値段で商品を買わされることになります。
いっぽう、営業マンが仕入れ先と対等の力を持っていたら、安い価格で仕入れることができ、顧客は商品を安く買うことができます。
FXもこれと同じことです。
なるべく企業規模が大きく、取引量も多いFX業者を選ぶことで、平均すると安い取引コストでFXをトレードできます。
企業規模と取引高の多い業者を選んでおけば、大きな間違いはありません。
FX口座開設の知恵4 NDD それとも DD?
DDかNDD、どちらが良いということではなく、トレードスタイルによって決めることになります。
DDとは、FX業者のディーラーを介して取引が行われる形式です。
NDDとは、ノーディーリング)方式と呼ばれるもので、ディーラーを介さずに直接インターバンクマーケットに注文を流してくれる方式です。
NDD方式は透明性が高いことと、スキャルピングをやり放題なことにメリットがあります。
一方、大手のDD方式業者は、大抵の時間帯においてNDD方式の業者よりも取引コストが安くつというメリットがあります。
DDとNDD業者の使い分けは
高速スキャルピング NDD
デイトレード NDD/DD のどちらでも可
スイングトレード NDD/DD のどちらでも可
長期トレード NDD/DD のどちらでも可
エントリーしたあと、数秒~数十秒で決済するような高速スキャルピングをやる場合はNDDの業者を使う必要があります。DDの業者で高速スキャルピングをやると口座を氷結される恐れがあるからです。
DD業者は顧客の注文をそのままインターバンク市場に流すのではなく、ディーラーがカバー先を探しますので、その作業が追い付かないほど高速にトレードを繰り返す顧客は嫌がられるのです。
日本の業者はほとんどがDDの業者です。GMOクリック証券やDMM FXなどもDDの業者です。
日本の業者で高速スキャルピングをやるなら、セントラル短資FXがお勧めです。
2015年10月現在、サンチャゴはスキャルピングにはセントラル短資FXを使っています。5万通貨からの取引ができる業者です。表向きは一番低スプレッドの業者というわけではありませんが、スリッページの少なさなどを含めて考えると、実質的な取引コストが安いように感じています。
スキャルピングをするときに重要なポイント
- 取引コストが安い
- ツールが使いやすい
- スキャルピングが可能(チャートトレード可能)
この3点を完璧に満たしてくれるのでスキャルピングにはセントラル短資FXがベストだと思います。
FX口座開設の知恵5 カスタマーサポートの質
なにか緊急の問題が発生した際にはカスタマーサポートに電話することになります。
24時間のカスタマーサポートを提供している業者は安心感があります。
DMM FXやマネーパートナーズなどは24時間のカスタマーサポートを受けることができるので安心です。
ただ、私は長年FXをやっていますが、今までに電話で問い合わせたことは1度もありません。実際にはそれほど重要ではないかもしれません。
完全にFX初心者の方は、24時間電話サポートのついているDMM FXなどを選択しておくとよいでしょう。
FX口座開設の知恵6 取引コスト
取引コストはFX口座を選ぶ際に最も大切な要素です。
スプレッドと手数料
FXの取引コストは以下の2つです。
- スプレッド
- 手数料
DMM FXやGMOクリック証券などのDD業者で原則固定スプレッドの場合は、取引コストはスプレッドのみとなります。
スプレッドが0.3pipsなら、1万通貨を取引する場合に30円の取引コストになります。
一方、FXCMなどのNDD業者の場合は スプレッド+手数料 が取引コストになります。スプレッドのほかに、0.2~0.5pipsに相当する手数料が加算されます。
スプレッドが0.3pipsで、手数料が0.2pips相当である場合には、合計で0.5pipsの取引コストになります。1万通貨で50円の取引コストになります。
高速スキャルピングをやるのでない限りは、固定スプレッドのDMM FXかGMOクリック証券の取引コストが一番安くなるのではないかと考えています。
ただし、初心者の方など、取引単位が1万通貨単位以下のトレーダーにとっては、SBI FXTRADE のスプレッドが一番安くなります。
特にSBI FXTRADEのドル円とユーロドル、そして南アフリカランドのスプレッドは際立って狭いのでおすすめです。
トレードスタイルと取引コスト
私はここ8年ほどFXをしていますが、数年前までは、FXの取引コストが高く、スキャルピングをやるのは至難の業でした。
今でこそ、ドル円0.3pips、ユーロドル0.5pipsという狭いスプレッドがありますが、一昔前は1pips以下のスプレッドというのは稀でした。
私には取引コストのルールというものがあります。
取引コストは、利食いの値幅の1/10までに抑える
というものです。
例えば、利食い値幅が20pipsのデイトレードなら、2pipsまでの取引コストでトレードできる業者を選びます。
利食いが10pipsのスキャルピングなら、1pipsの取引コストでトレードできる業者に限定します。
一昔前までは、1pips以下の取引コストでトレードできる業者は珍しかったのですが、今はボラティリティ―の大きいユーロ円ですらスプレッドが1pipsを下回ってきています。
スキャルパーにとっては良い時代になりました。
FX口座開設の知恵7 FX業者が提供するサービス
各FX業者は顧客を獲得するために様々な付加サービスを展開しています。
しかし、そのような付加的なサービスをあまり重視してFX口座を選ぶべきではないと思います。
FX口座にとって大切なことは、
- 信頼できる業者であること
- 取引コストが高過ぎないこと
- トレードツールが使いやすいこと
その3点を抑えていれば、それ以外はおまけにすぎません。
経済指標ニュースの配信などを売りにしている業者があるかもしれませんが
そのような情報は、fxfactoryなどの無料サイトからも得ることができます。
表示できるチャートの種類
スキャルピングをやる人にとっては、表示できるチャートの種類はとても重要になります。
というのは、高速スキャルピングの場合、1分足でトレードするよりも、ティックチャートでトレードする方が合理的だからです。
ボブ・ボルマン氏のスキャルピング本を読んだ方なら70ティック足のことを聞いたことがあると思います。
1分に1本のローソク足ではなく、70回取引が行われるたびに1本のローソク足が表示されるタイプの特殊なチャートです。
70ティックチャートの場合、指標発表直後などには1分の間に何本もローソク足が出ます。取引が活発で、一瞬で70回の取引が行われるからです。
ですので、取引が活発な時には、1分足では見えない値動き、1分足では見えないチャートパターンを捉えることができます。
70ティックチャートを使ったスキャルピング手法で取引したいなら、セントラル短資FXのUチャートがおすすめです。1~100ティックチャートを自分で設定して自由にチャートを表示できます。
5万通貨からの取引ですが、7ティック程度をロスカットとするスキャルピングなら、多くの人にとって問題ないでしょう。
セントラル短資FXのUチャートは初回利用月と翌月月末までは無料で利用できます。その後は月間トータルで1000万通貨を取引することで無料で利用できます。5万通貨の取引を一日に10回以上行う方はUチャートを無料で利用できるということです。
この条件はスキャルパーなら楽にクリアできる人が多いと思いますので、対象となる方は検討してみてください。
Uチャートは、セントラル短資FXのウルトラFXに口座開設すると使えます。
FX口座開設の知恵8 レバレッジ
高いレバレッジでトレードできる業者を求めているなら、海外の業者を選択するしかありません。
日本国内の業者は日本のレバレッジ規制により、25倍に制限されているからです。
スイスのdukascopyはレバレッジ100倍です。
高いレバレッジのトレードを希望するなら、上記2つの業者のどちらかを選んでおくと間違いないと思います。
高いレバレッジを求めるケースというのは、スキャルピングの場合だと思います。狭いロスカット幅でロット数を上げて、何度も何度も売買を繰り返すようなトレードスタイルの場合には、高いレバレッジが必要になるかもしれません。
dukascopyはNDD業者なので高速スキャルピングをやることもできます。
ただ、ほとんどに人にとっては、日本国内のレバレッジ25倍でも十分でしょう。
FX口座開設の知恵9 口座開設でキャッシュバックをもらう
FX業者によっては、新規でFX口座を開設した顧客に対してキャッシュバックを行うところもあります。5000円~1万円以上ももらえる場合がありますので、ばかになりません。
キャッシュバックの多いFX業者があれば、とりあえず口座を開設してみて何度かトレードしてみる価値があります。
サンチャゴが使っているFX口座
(追記)2019年現在は、XMとInteractiveBrokersを使っています。
FX口座の選び方 まとめ
FXの口座開設で失敗しないための9の知恵を紹介した。
1.そのFX業者は信用できるか?
どこの国の業者かが重要。
FXの規制や監視が厳しい国
- 日本
- イギリス
- ユーロ諸国
- オーストラリア
- スイス
これらの国の業者を選んでおけば、ある程度の安全は担保できる。
2.トレードツールの使いやすさと安定性
トレードツールがシンプルで分かりやすく、使いやすいことが重要。
特にデイトレードやスキャルピングの場合にはシステムの安定感が必須。
また、利食いと指値注文をエントリーと同時に入れれる機能とチャート上でラインをドラッグするだけで注文を変更できる機能があれば、デイトレードやスキャルピングをやるときに便利。
3.業者の規模が大きく、取引量が多い方が良い
FX業者とは、インターバンク市場と我々一般投資家の仲立ちをする営業マンのようなもの。
営業マンが仕入れ先であるインターバンク市場に対して強い立場にあれば、それだけ調達コストが下がり、我々の取引コストも下がる。
4.NDDかDDどちら?
取引コストが安くなるのはGMOクリック証券やDMM FXなどのDD業者。
しかし高速スキャルピングはNDDでないとできない。
スキャルピングの場合はNDD、それ以外の場合は大手のDDを選択するのがベターかも。
5.カスタマーサポート
右も左も分からない初心者の場合は、24時間電話サポートを提供する業者がよい。
6.取引コスト
取引コストにはスプレッドと手数料がある。
NDD業者はスプレッド+手数料。
DD業者はスプレッドのみ。
利食いの値幅の1/10程度以下の取引コストで取引できる業者を選ぶべき。
それ以上の取引コストだと安定して勝つのが難しくなるだろう。
7.FX業者が提供するサービス
我々にとって重要なのは
- 信頼できる業者であること
- 取引コストが高過ぎないこと
- トレードツールが使いやすいこと
それ以外の付加サービスはあまり気にしない方が良い。
8.レバレッジ
日本国内の業者はレバレッジ規制により最大25倍と決まっている。
スキャルパーなど、それ以上のレバレッジを求めるなら海外FX業者に口座開設する必要がある。
海外口座なら100倍や500倍といった大きなレバレッジが可能だ。
9.キャッシュバックをもらう
FX業者によっては多額のキャッシュバックを行うことがある。
キャッシュバックを利用して有利にFXを始めることができる。