日本円は米ドル、ユーロに続き3番目に取引量の多い、FXトレーダーにとって重要な通貨です。
この記事では、円相場の4つの特徴、そして円相場の為替予想をする方法を解説したいと思います。
日本円はいろんな意味で特徴的な通貨です。
ボラティリティ―が高く、予測するのが難しい通貨だと言われています。
日本は1990年代の前半にバブル崩壊という経済危機を経験しました。
バブルが崩壊するまでの日本は、戦後の復興から世界第2位の輸出国にのし上がったことで「東洋の奇跡」と呼ばれるほどでした。
バブルが崩壊したとき、日銀はなんとしてでも経済成長を復活させなければと考えました。
不況になった国がやることは、金利を下げてお金を借りやすくして経済を刺激することです。
そこで日本銀行はゼロ金利政策をとりました。それ以来、日本は「ゼロ金利の国」として有名になります。
そのことが円相場の特徴に大きな影響を与えています。
安全な通貨としての日本円
米ドルと同じように、日本円は「安全な通貨」として見られています。
投資家が先行きに不安を感じれば日本円が買われます。
反対に投資家がリスクを負ってハイリスクな投資をしたいと思うと円が売られます。
キャリートレードもその一つの形です。
キャリートレードとは、高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売ることで金利の差(スワップ金利)を得る投資手法です。
投資家がイケイケでで積極的な時にはハイリスクで高金利な通貨を買い、超低金利な日本円を売ります。
反対に投資家がリスクに怯え始めると、ハイリスクで高金利な通貨が売られて日本円が買われます。
介入に積極的な日本銀行
日本の中央銀行である日本銀行は為替介入に積極的なことで知られます。
円高が進んで日本の輸出産業に打撃を与えると判断すれば、いつでも積極的に為替介入してきます。
日本銀行は日本政府から独立した機関ですが、日本は政府と中央銀行の関係が最も強い国として知られています。
日本銀行と日本政府の目的は1つ、「なんとしてでも日本の輸出産業を守ること」です。
要するに、日銀は円高が進むと、ほぼ間違いな円売りドル買い介入を仕掛けてくるということです。
日本の輸出企業の送り状は外貨建て
日本の輸出期企業には興味深い特徴があります。
それは輸出する際の送り状(インボイス)が相手国通貨建てだということです。
他の先進国では、インボイスは輸出する側の通貨建てになるのが普通です。
彼らが外貨を日本円に両替するのはいつなのでしょうか?
日本企業の習性として、3月や9月の決算の時期に外貨を日本円に両替する傾向があるそうです。
日本はコモディティを輸入に頼っている
日本は国土が狭く資源を持たない国なので、原油や貴金属、食糧などのコモディティのほとんどを輸入に頼っています。
ですから、日本円は原油などのコモディティの値動きに大きな影響を受けます。
円相場の為替予測の方法
日本円は、いったんブレークアウトすると2、3日同じ方向に進む傾向があります。
ボックス相場の後にブレークアウトが起きたらその方向にエントリーし、2、3日はホールドするのがドル円の鉄則だと言われています。
次に、日本円はラウンドナンバー(きりの良い数字)で反応しやすいという特徴があります。
100円や100.50円などのきりの良い数字がすぐ近くにないかに注意する必要があります。
円絡みの通貨ペアでは、ラウンドナンバーが短期的なサポートラインやレジスタンスラインとして機能することが他の通貨に比べて多いと言われています。
ドル円をトレードするならユーロ円やポンド円にも注目しておくべきです。
もしユーロ円が主要なレジスタンスラインをブレークアウトしたら、ドル円やポンド円に注目してください。後に続いて猛烈な買いが入ってくることがよくあります。
円相場 まとめ
円には4つの特徴があります。
- 安全な通貨として見られている
- 日銀が積極的に介入してくる
- 日本の輸出企業の送り状が相手国通貨建てという習慣
- 日本円は原油などのコモディティに影響を受けやすい
円相場の為替予測をする際に注意しておきたいポイントは
- いったんブレークアウトすると2,3日はトレンドが続きやすい
- 円絡みの通貨ペアはラウンドナンバーに反応しやすい
- ドル円をトレードするならユーロ円やポンド円の動向もチェックすべき