FXをトレードする利点の一つはその営業時間の長さがあります。
FX市場は24時間営業であり、クリスマスや元旦を除いてマーケットは開いています。
FX業者の都合で土日はトレードできない場合が多いですが、ほとんどの場合は月曜日の早朝から土曜の早朝までぶっ続けで相場が開いています。
FXは24時間営業の巨大な市場ですが、いつも同じように活発に取引が行われているわけではありません。時間帯による違い、通貨ペアによる違いがあります。
相場が上がったり下がったり、値動きがあれば稼ぐことができますが、動かなければどうしようもありませんよね?
そこでこのページでは、即戦力なFXトレーダーを目指すあなたがどの時間帯でトレードすべきか?を明らかにしたいと思います。
FXの取引時間
あなたが日本に住んでいるとすると、FX市場は月曜日の早朝に開き、土曜日の早朝に閉じます。その間は24時間営業です。
下の図はFX市場がオープンする順番を表したものです。
各国の為替市場が右から左へと次々とオープンしていきます。
それぞれの取引時間が重なるので、常に24時間どこかの市場が開いています。
最初に開く市場はニュージーランド市場です。そしてすぐ後にオーストラリア、日本、香港が続きます。これらの市場をアジア市場と呼びます。
アジア市場が終盤を迎える頃、今度はヨーロッパ市場がオープンします。
ヨーロッパ市場とは、ユーロ圏の市場です。
そのすぐ後にロンドン市場が続いてオープンします。
ヨーロッパ市場、ロンドン市場の後半に差し掛かるころ、最後に米国市場がオープンします。
米国市場が閉じる頃、またニュージーランド市場が開きます。
FXではこのサイクルが月曜の朝から土曜の早朝まで繰り返されます。
海外にはサマータイム制というのがあります。夏になると時計の針を1時間進めることで、太陽の出ている時間帯を有効活用する制度です。
4月から10月までが夏時間、11月から3月までが冬時間です。
FXの時間もこれに伴い変わります。
FXの取引時間をまとめてみましょう。
夏時間(4月ごろ~10月頃)
市場 | オープン | クローズ |
シドニー(オーストラリア) | 7:00 | 16:00 |
東京(日本) | 9:00 | 17:00 |
ロンドン(英国) | 16:00 | 1:00 |
ニューヨーク(米国) | 21:00 | 6:00 |
冬時間(11月頃~3月頃)
市場 | オープン | クローズ |
シドニー(オーストラリア) | 6:00 | 15:00 |
東京(日本) | 9:00 | 17:00 |
ロンドン(英国) | 17:00 | 2:00 |
ニューヨーク(米国) | 22:00 | 7:00 |
この時間は大体の目安です。FX市場には中心となる取引所がありませんので、正式な開始時間と終了時間は無いのです。だいたいそれぐらいの時間に、その国でのFX取引が活発になるということです。
FXの時間帯についての話題では、「セッション」という言葉を使います。
日本市場(東京市場)が開いている時間帯を東京セッション
ロンドン市場が開いている時間帯をロンドンセッション
アメリカ市場が開いている時間帯をニューヨークセッション
この3つのセッションがFXの3大セッションです。
まず東京セッションですが、日本はサマータイム制を導入していないので、年間を通じて変わりません。8時頃から動き始め、株式市場がオープンする9時頃から本格的に動きます。
ロンドンセッションですが、夏(4月から10月)は日本時間の16:00ごろから動きます。ロンドン市場が動き出す17:00ごろから本格的に動きます。
冬(11月から3月)は上記の時間よりも1時間遅くなります。
17:00頃から動き始め、18:00頃から本格的に動きます。
ニューヨークセッションは、夏は日本時間の21:00頃からです。
冬は1時間遅くなる22:00頃からとなります。
活況な時間帯
FXは24時間トレードできるからといって、いつも活発に取引されているわけではありません。
東京セッション、ロンドンセッション、ニューヨークセッションの3大セッションがあると言いました。
私たちトレーダーは通貨が最も活発にトレードされ、しっかりとした値動きが出やすい時間帯を狙ってトレードする必要があります。
そのような活況な時間帯が3つあります。
- 東京セッションの前半
- ロンドンセッションの前半
- ロンドンセッションの後半とニューヨークセッションの前半がオーバーラップ(かぶる)時間帯
東京セッションの前半
これは8:00~12:00頃までの時間帯です。
この時間帯ではUSD/JPYを中心に取引が活発になります。
ドル円を得意とするトレーダーはこの時間帯を外すことはできません。
ロンドン市場の前半
これは日本時間の16:00~20:00頃までの時間帯です。(冬は17:00~21:00)
アジア各国や中東のマーケットとロンドンのマーケットの取引時間がかぶる時間帯でもあります。
ロンドン市場とニューヨーク市場がオーバーラップする時間帯
日本時間の21:00~翌1:00頃までの時間帯です。(冬は22:00~翌2:00まで)
ロンドンとニューヨークという世界最大の2つの市場がオーバーラップする時間帯は他の時間帯よりも活発に取引が行われるので大きな値動きが期待できます。
また、この時間帯には米国やカナダの経済指標が発表されますし、ヨーロッパ関連の経済指標も発表されますので、それらの影響をうけて大きく相場が動くこともよくあります。
ロンドンセッションの前半で形成されたトレンドが、ロンドンとニューヨークのオーバーラップする時間帯で伸びることが良くあります。
また、ロンドンセッションでエントリーしたトレーダーがニューヨークセッションのお昼休み前に利食いをしようとして相場が乱高下することもあります。
いずれにせよ、大きな出来高を伴ったしっかりとした動きになりやすいので、上手く相場を読めれば、他の時間帯よりも大きな利益が期待できます。
活況な通貨ペアは時間帯により異なる
どの時間帯でトレードするか?を決めるには、どの時間帯でどの通貨ペアが活発に取引されるのかを知っておく必要があります。
まずは東京セッションから見てみましょう。
ひと目でわかりますが、東京セッションではUSD/JPYの取引が78%と他を圧倒しているのがわかります。
EUR/JPYと併せると「円」絡みのトレードが多いのは明らかです。
東京セッションでトレードするなら、USD/JPY、EUR/JPYを中心としたクロス円をトレードするのが良いということです。
FXに参加する一般投資家のうち、40%は日本のトレーダーというのを聞いたことがあります。東京セッションでは日本人のトレーダーが多いでしょうから、やはり自国通貨の円をトレードする人が多いということですね。
次に、ロンドンセッションを見てみましょう。ロンドンセッションにはニューヨークセッションの前半も含んでいます。
全く違う形になりましたね。
ほんの1、2時間経過し、東京セッションからロンドンセッションに変わるだけで、「円」への興味は一気に落ちます。東京セッションで8割が円絡みだったのが、ロンドンセッションでは2割です。
一方でEUR/USDが15%から39%に上がり、そこにGBP/USDが23%加わります。
FXはグローバルな市場といいますが、実際にはセッションごとにその地域の通貨に絞ってトレードする人が多いということですね。東京セッションでは日本人が円をトレードし、ロンドンセッションではヨーロッパの人たちがユーロやポンドを中心にトレードする。そしてニューヨークセッションになるとドルへの興味が高まっていく。そんな感じなのでしょう。
何時トレードすべきか 最後に
FXは24時間営業の市場です。
しかし人間には生活がありますので、ぶっ続けでトレードし続けるわけにはいきません。
全てのトレーダーはいつトレードをすべきで、いつトレードをすべきでないかを知る必要があります。
最後に、ベストな取引時間と良くない取引時間のチャックポイントを箇条書きしておきます。
FXをトレードするのにベストな時間
・2つのセッションがオーバーラップする時間
・ヨーロッパセッション/ロンドンセッションが最も活発に取引が行われる
・週の半ばに値が動くことが多い
FXをトレードすべきでない時間
・欧米の休日…主要な参加者は休みを取っているのでしっかりとした値動きは発生しにくい
・金曜日…金曜のニューヨークセッションの後半は取引が少なくなる
・主要な経済指標の発表前…指標発表の結果待ちで取引がすくなくなる
FXが活発に取引される時間帯にトレードできない人はどうすればいいのか?
それなら、スイングトレーダーやポジショントレーダーになるのも一つの手です。