FXに誰が参加しているかを知るには、まずはFX市場の構造を知る必要があります。
FXってどんな構造になってるの?
比較のために、多分皆さんに最も馴染みの深いマーケット、株式市場の構造を開設させてください。
株式市場の構造はこんな感じです。
東京証券取引所の株式市場や、大阪証券取引所の先物取引はこのように中心となる取引所を全ての注文が通ります。
指値注文が板に乗り、成り行き注文を出した人が早いもの順で買ったり売ったりできる仕組みです。
ある株の今の値段は、たった1つしかありません。
取引所が1つしかないのですから当然ですね。
FX市場の構造
株式市場や先物市場とは違い、FX市場においては、中心となる取引所は存在せず、注文がどこかを通らなければならないわけではありません。
FXマーケットにおいては、1つの通貨ペアに対して、たった1つの為替レートがあるわけではありません。ディーラー間で為替レートが違っていても一向に構わないのです。
なにやらごちゃごちゃとしていますが、FXマーケットの構造はこんな感じです。巨大なマーケットです。
銀行どうしがECNブローカーかEBS、ロイターズマシンを介して繋がっています。
また、一般投資家は直接インターバンク市場に参加できないので、マーケットメーカーを介してFXに参加しているのがポイントです。
今は分かりにくいと思いますが、サラッと流して読み進めてください。
FXの階級制
FXには中心となる取引所が存在しないと言いましたが、めちゃくちゃにあっちこっちで取引されているわけではありません。
FXの取引には階級制のような仕組みがあります。
誰もが誰とでも取引できるわけではありません。
江戸時代の農民が気軽にお殿様と会話できなかったように、一般投資家が気軽に巨大な銀行を相手にFXをトレードするわけにはいかないのです。
この階級制を図で表してみましょう。
赤で囲んだ上の部分がインターバンクマーケットと呼ばれる領域です。
巨大な銀行や中小の銀行から形成されています。
彼ら互いに直接つながっていたり、EBSやロイターズ・マシンと呼ばれる電子的な仲介システムで繋がっています。
常にどの銀行がいくらで売りを出しているのか買いを出しているのかを把握できるようになっています。
インターバンク内にも階級があり、信用のある大きな銀行ほど有利な取引をできるようです。
ある一定の規模と信用力がないと、インターバンク市場のネットワークには入れてもらえないということです。
画像のインターバンクの赤枠のすぐ下に位置するオレンジ色の参加者たちを見てみましょう。
マーケットメイカー、ECN、ヘッジファンド、輸出入をする大企業達です。
彼らは銀行ほどの信用が無いので、インターバンクのネットワークには入っていません。
ですから、どこかの銀行を通じて取引する必要があります。
ということは、彼らの取引コストは、インターバンクネットワークに加入している銀行よりも高くなるということです。
一番下の階級に位置するのが、私はあなたのような一般投資家です。
一般投資家は一般投資家向けのマーケットメーカーやECN、つまり俗に言うFX業者を通じてFXをトレードします。
一昔前は一般投資家がFXをトレードするなんてことはできませんでした。できたとしてもとてつもなく高い取引コストが必用でした。
インターネットが発明され、インターネット取引、FX業者が登場したことで、我々一般投資家もFXを気軽に低コストで取引できるようになりました。
良い時代になったものです。
誰がFXに参加しているか?
まずは、巨大な銀行や中小の銀行がロイターズ・マシンやEBSという電子為替仲介システムで繋がり、FXをトレードしています。
次に、ヘッジファンドや輸出入をする大企業は銀行を通じてインターバンクマーケットのFXトレードに参加します。
最後に一般投資家はマーケットメーカーを相手にFXをトレードするか、ECNを通じてインターバンクマーケットのFXに参加します。
FX業者の種類に関してはまた別の機会に詳しく解説します。