株式投資ではPERやPBRを見て公正価値を調べます。FXだと、購買力平価やビッグマック指標で公正価値を調べるようです。しかしFXに公正価値って関係あるのでしょうか?
FXの公正価値
FXでは時々大きな値動きが出ます。FXはトレンドの出やすい相場だと言われます。
FXが大きく動いた時、その通貨が過大評価されている、とか、過小評価されている、といったことが言われます。その通貨に適正な価格が付いているか?ということですね。
しかし、FXに公正価値というのは関係ないと思います。
株式投資をしている人もいるでしょう。株式投資では、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が重要です。
株式投資の場合には、企業の資本や利益が分かっているので、今の株価が割高か割安かは、理論的には明確に分かります。(それで儲かるかは別として…)
しかし、FXは常にペアとして見られます。単独の通貨の価値がどうかということではありません。通貨ペアの価格は、ある国の単独の状況だけで決まるわけではなく、各国通貨の相対的な評価で決まります。
また、為替相場というのは、かなり投機的な金融商品だということも重要です。FXの値動きには、相場参加者の雰囲気、センチメントが大きく影響します。
ある通貨ペアの相場参加者の多くがある方向性に自信を持ち、センチメントがそちら側に傾くと、本来あるべき価格を大きく超えて値が動いていきます。
ある通貨ペアが下がりそうだと思う人が多く、彼らがその意思決定に自信を持っているなら、とんでもない下落が起き、その逆もしかり、だということです。
それと同じことは株にも言えますが、FXはもっとその傾向が強いのではないかと思います。
購買力平価(PPP)
FXのデイトレーダーやスイングトレーダーにとって、通貨の公正価値は関係ないとおもいますが、通貨の公正価値を推し量る方法、購買力平価(PPP)のことは、知識としては知っておきましょう。
購買力平価(PPP)は公正価値を知るための指標の一つで、ある国における、「主要な商品価格のまとめ」を、他の国のそれと比べるものです。
購買力平価(PPP)の考え方は、物の価格は、為替レートと考慮すると、国境を越えても同じになるはずだというものです。
しかし実際にはそうなりません。国によって物の売り買いにおけるコストがぜんぜんちがうからです。商品を保管するコスト、輸送コスト、取引を制限するような規制に対するコストなどなどが関わってきます。
ビッグマック指標
PPPのめちゃくちゃ具体的な例として、ビックマック指標があります。
ビッグマック指標とは、世界各国のマクドナルドで売られているビッグマックの価格をドル建てで比べてみる指標です。
★画像はstatista (http://www.statista.com/)よりキャプチャしました。
このように、国によってビッグマックの価格は全然違います。日本ではドル建てで2.99ドルなのに対し、インドではその半額程度の1.83ドル。逆にスイスは日本の倍以上の6.82ドル。
スイスとインドを比べると、ビッグマックの価格が3.7倍も違います。どうやら、国境を越えても同じ価格、にはならないようです。