あるトレード手法が多くの人に広まってしまったら
もはやその手法は機能しなくなるのでしょうか?
いろんなトレード手法がありますよね。
本やブログで紹介されていることもありますし
教材で教えてもらえることもあります。
そういった手法が広まってしまったら最後
もう機能しなくなるのでしょうか。
私はそんなことはありえないと思っています。
その理由は
・上手くトレードするのは難しいから
・トレードにおけるミスの許容範囲は狭いから
このあたりのことを、今日は解説したいと思います。
●上手くトレードする(し続ける)のは難しい
トレードという技術は、知っていれば誰にでもできる
というタイプのものではなく、職人技的なものです。
例えば、野球のコツを知識としてしっていることと
野球でお金を稼げるほど野球が上手いこととでは全く違いますよね。
野球という技術は職人技だからです。
トレードも全く同じです。
野球のように生まれ持った身体能力は求められませんが
練習の継続や経験が求められるという点では同じです。
それなのに、トレードという世界では
トレードのコツを知識として知っただけで明日から勝てるはずだと思っている人が
あまりに多いように思います。
過去に勝てていた手法の売買ルールを表面的に
知っただけで自分がトレードで一生勝てると思ってしまうのです。
安定して勝てるトレーダーとは、
「相場の本質」をコンセプトのレベルで理解していて
その本質を突いていく手法をその時その時の状況に応じて
自分なりにカスタマイズしていける人です。
●トレードにおけるミスの許容範囲は狭い
トレードというビジネスにおいては
小さなミスが命取りになってしまいます。
野球だと、小さなミスが致命的になることは少ないと思います。
もちろん、小さなミスが原因でその日は試合に負けてしまうかもしれません。
しかし1回のミスでそのプレーヤーの年俸がマイナスになることは無いでしょう。
しかし相場の場合、たった1つのミスが命取りとなってしまうことが
しょっちゅうあります。
5月まで順調に勝てていたのに、
たった一回の心の緩みをきっかけとして
その年の稼ぎを一瞬のうちに吹き飛ばしてしまうようなことが
簡単に起きてしまうのが相場です。
大丈夫だろと思って適当に買いポジションを作ったら
なぜか心の緩みでナンピンを繰り返してしまって
最後は大きなロスカットになってしまうようなことです。
最悪の場合には全財産を吹き飛ばしてしまうことすらあります。
相場ではそのような危険性が常にあるのです。
トレードにおいては、どんな技術をどんなに高度にマスターしていても
たった一回のミスが全てを台無しにしてしまうことがよくあるのです。
そういうミスを確実に防ぐことは可能です。
しかしそれは多くの人にとって難しいのです。
私自身も、初期のころに大きな大きなミスをして
思い知りました。
ある手法を1000人の人が知ったとしても
その手法を使いこなし、さらに大きなミスをしない
精神力を持ち合わせている人はほんの一握りなのです。
ですから、手法が広まったとしても
それだけの理由で機能しなくなるということではないと思っています。
●でもそれは良いことだ
・トレードは難しい
・小さなミスが命取り
こんなことを聞くと、やる気を削がれてしまったかもしれません。
しかし実はこれらは良いことです。
これらは逆に言うと、
・甘い考えで相場に乗り込んできてくれるカモがたくさんいる
・長く相場で生き残り、経験を積めば積むほど有利になる
・致命的なミスをしなければよい
ということだからです。
相場で勝つためにやるべきことは以下のようなことです。
・相場の本質を理解する
・他人がカモられたところを突いていく
・「バカなことは絶対にしない」というルールを最優先する
これらのことを徹底できるのであれば
あなたはカモではありません。
素晴らしい手法はいくつも存在するので、本や教材をつかって
トレードの勉強をすることは素晴らしいことです。
しかし今日のメールで述べたことを忘れないでいただき
どんなにすばらしいトレード手法に出会っても
舞い上がってしまって大切なことを忘れてしまわないようにしてください。